浄土真宗で差し上げるお布施の表書きの書き方
お布施とは「布施」の丁寧語で、現在の日本では、一般的に読経や戒名を頂いた謝礼として寺院や僧侶に金品を渡すこと、または渡す金品を指します。
布施はサンスクリット語で「ダーナ」と言い、漢字では「檀那」、「旦那」と書かれます。
仏教の特徴である「慈悲」の心を持って、他人に財物などを施すことを意味しています。
金銭や衣服、食料などを施す「財施」、仏の教えを説く「法施」、災難に会った人を慰めて、恐怖心を取り除いてやる「無畏施」の3種があるとされています。
その他に、笑顔を他人に見せることで相手を喜ばせる「和顔施」、言葉で他人を傷つけないように気をつける「言辞施」が知られています。
本来は僧侶や寺院の行為に対する対価ではなく、自分が喜んで他人に差し出し、その結果、他人に幸福感を与えて喜ばせる、自発的な社会福祉活動を意味していました。
現在、浄土真宗で「お布施」と上書きした包みを寺院や僧侶に差し上げるケースには下記のようなものがあります。
寺の落慶や住職の就任、仏前結婚式、納骨堂の購入などの慶事で、赤白の水引をかけます。
報恩講では「報恩講志」とも書き、赤白の水引をかけます。
遷座や遷仏法要では、黄白の水引または黒白の水引、もしくは白無地の封筒を用います。
一般的に水引は慶事では赤白、弔事では黒白または銀白、一般的な法事では黒白または黄白を使用します。
回数が重なり、切りの良い五十や百回忌などの法事には赤白を使います。
「お膳料」や「お車代」については、そのまま書き、白無地の封筒を使用します。
のしは寺院に納めるものや、仏事には使用しません。
浄土真宗の解釈では「お布施」は寺や僧侶への報酬やお礼を意味していません。
そのため表書きに「御経料」や「供養料」、「御礼」、「志」、「寸志」、「薄謝」などの書き方をするのは間違いとされているので注意が必要です。
包みの下半分には施主の姓名または「家」と書きます。
差し上げるときは直接ではなく、お盆に乗せる形が好ましいです。